終わらないMelody【短編】
もうあたしの中に、“余裕”なんてなかったのかもしれない。

本当は、あたしの事、真剣に想ってくれてるんじゃないかって。


新の言葉や行動に、あたしはずっと困りっぱなしだった。

迷惑とかじゃなくて―…

とても、もどかしかった。

何の迷いもなく、あたしに真っ直ぐ、言葉を伝えてくる新に…

あたしは、どう反応すればいいのか…ずっと分からなくて。

新の真っ直ぐな言葉を聞く度に、あたしの胸は、きゅっ…と締め付けられて。



【あたしは新が好きなんだ】って、気付かさてからは、あたしは新に、素直な笑顔を見せられなくなっていた。


新の純粋な笑顔を見る度、無性に泣きたくなった。

素直に気持ちを表せないあたしが、もどかしくて、悔しくて。

どうしてあたしなの…?って、疑問で、不安で。


こんな気持ち…知らなかった。

知りたく、なかった――…。


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