秘密な瞳
「ダアリッ」
「あんたのダーリンなんてごめんだよ、お願いだら黙ってて」
ぶつけた言葉に嬉しそうにニコニコしながらついてくる夢野にはなにか素質があるのかもしれない。そんなことを続けながら教室から机をだし階段を下りて新しい教室に向かう。
うまくやっていこうなんて考えてない。ただ自分の意思を維持できるクラスならあたしが言う事は何もない。教室の前で深呼吸をしドアに手をかける。
ガラガラ・・・
意外と重いドアの向こうには、見たこともない物語のはじまりだった。
*******
一生誰も座らないだろう机を目にし、クラスの中でグループがわかれている。
なにこれ、不登校ってまさか。
「あー、その席はね佳純ちゃんの机だよぉ。夏花も知ってるでしょ」
知ってる、
クラスの全員から攻撃を受け、先生にまで見放された彼女。
何度か話したことはあるが・・・
「夢野、あんたもあのクラスだったね」