捧げる愛、抱きしめる愛

 あの父の血が私にも流れているのだなと、ひっそり思う。

 今は元夫となった公爵の息子の名前さえも覚えておらぬわ。

 我が子との別れにもなんら悲しみを抱かなかった。

 『愛』など、もう信じぬ。

 いや、『愛』を、私は信じていたのだろうか。
 
 否。『愛』を感じたことなど、一度もない。

 ほとほと私の存在を疑問に思う。






 さて、私はこれから、どう生きようか。











 この世に未練などない。











 短い戦だらけの人生であったが、価値は皆無。











 ────────逝こう。






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