捧げる愛、抱きしめる愛
若き女帝、去る。side.カロッサ
太陽が煌めいている。
こんなに晴れた日を久しぶりに感じる。
いや、自分が今まで空というものを意識していなかっただけか。
ふと、空を見上げて思う。
────────これで私は用なしか…。
そもそも、女の統治者など民には必要ないのだ。
民の目を見ればわかる。
私が戦を指揮し、我が身に似合わぬ鎧を纏い、最前線で剣と魔法を駆使して国の為に尽くしても、所詮は女。
たとえこの国で最も強かろうが権力を持っていようが、伝統に逆らうことなどできない。
尊い文化を蔑ろになどできない。