捧げる愛、抱きしめる愛
私はビスチェ型スレンダーラインの真っ黒なドレスを着せられ。
あれよあれよという間にパーティ会場に着き。
基本例は面倒くさがりなので誰かに声をかけることもなく私と二人でいろいろ喋っていたところに。
「あら、怜さん。久しぶりね」
淡いピンクのAラインドレスに身を包んだ女性……古賀優作の娘、古賀優里(ゆり)はクスリと妖艶に笑う。
自分に自信を持っている女性だと感じた。
自分の良さを最大限に出している…そんな感じ。
「お久しぶりです、優里さん」
相手の出方を伺っている怜は、無愛想に対応する。
"俺はお前のことなんかどうでもいいんだよオーラ"を出している。
若干睨んでいるのは気のせいかしら?
確かに…怜は女性には冷たいのね、と場違いにも思った。
「…お隣の女性はどちら様で?」
古賀優里の鋭い視線が私を射抜く。
「こちらは私の婚約者であるカロッサ=ザンドラヴルです。カロッサ」
「ええ。こんばんは、古賀優里様。お会いするのは初めてですね。私、閑野崎怜の婚約者のカロッサ=ザンドラヴルと申します。以後、お見知りおきを」
「……こ、婚約者ぁ?」
見る見るうちに顔が青くなっていく古賀優里。
「さて、それでは失礼します」
「あ〜清々する」と内心思っているんでしょうね、怜。
顔に出ているわ。