空と君との間には
3話 ゴーストライター
連日、雨続き。
空の色は灰色をしている。
紗世は万萬詩悠の小説をどうにか、1作読み終えた。
――この小説を……あの万萬くんが書いたなんて
紗世は万萬の、群青新人賞受賞作品「限りなくグレーに近い空」を読んだ時以上の衝撃を覚えた。
「この作家を……あの沢山江梨子にぶつけるの?」
紗世が万萬の原稿を手に、思わず溢した言葉を編集長は聞き逃さない。
「どうだね、麻生くん? 万萬詩悠は群青受賞作より、パワーアップしているだろう?」
「……はい、凄いです」
「万萬詩悠、『空と君との間には』が楽しみだ」
「あの編集長、わたし……万萬くんに嫌われてるんでしょうか」
紗世は渡部に泣きそうな顔を向ける。
「ん……どうした?」
「万萬くん、結城さん経由でしか連絡して来ないんです……それに会っても要件しか」
空の色は灰色をしている。
紗世は万萬詩悠の小説をどうにか、1作読み終えた。
――この小説を……あの万萬くんが書いたなんて
紗世は万萬の、群青新人賞受賞作品「限りなくグレーに近い空」を読んだ時以上の衝撃を覚えた。
「この作家を……あの沢山江梨子にぶつけるの?」
紗世が万萬の原稿を手に、思わず溢した言葉を編集長は聞き逃さない。
「どうだね、麻生くん? 万萬詩悠は群青受賞作より、パワーアップしているだろう?」
「……はい、凄いです」
「万萬詩悠、『空と君との間には』が楽しみだ」
「あの編集長、わたし……万萬くんに嫌われてるんでしょうか」
紗世は渡部に泣きそうな顔を向ける。
「ん……どうした?」
「万萬くん、結城さん経由でしか連絡して来ないんです……それに会っても要件しか」