空と君との間には

２話　何も知らない

「紗世、大丈夫？」


「何が？」


「結城さんとは上手くいってる？」


紗世は同期で総務部の愛里と久々の夕食をとる。


結城からの課題、校正マニュアル問題集や万萬詩悠との作品打合せも、切り良く午後５時には終了した。


結城から「たまには女子会で息抜きをしてこい」と言われ、紗世は愛里に即行メールした。


結城からもらった、バイキング店の会員割引チケット２枚と諭吉１枚のカンパ。


「上手くいってるよ」ヒラリと見せる。


「メールで此処の名前を見た時、冗談かと思った」


「結城さんが愛里から返信来た後、お店に電話入れてくれてた」

紗世は自慢気に、ネタばらしをする。


「紗世、総務部の先輩がね。こっそり教えてくれたんだけど……浅田さん、広報部の小今田部長と付き合ってるそうよ」


「小今田部長と……」

紗世は意外な名前に箸を止める。
< 185 / 312 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop