空と君との間には
「結城はさ。何でも1人抱えこんで無理して頑張ろうとするんだ」


「確かに、そうですね」


「あいつは体が弱くて、俺たちの半分も体力がないくせに『しんどい』って言わない。倒れるまで我慢してる」


「結城さんは負けず嫌いな人ですよね」


「そうだな。だから、紗世ちゃんが結城の傍にいて『無理しちゃダメだ』って叱ってやって」


「わたしが?」


「ん。俺は結城が紗世ちゃんには、心を許してるように見えるんだ」


「そうですか~?」

紗世は不服そうに言って相田を見る。


「結城さんと話していて見えない壁を感じること、すごくありますよ~」


「もともと壁を作っているような雰囲気があるからな」


「はい、『話しかけてくるなよ』的な」


「あははは。マシになったほうだ。浅田とのトラブル直後は、今よりもっと凄かったよ」
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