空と君との間には
2話 僕は……になる
結城は車中、終始無言だった。
駐車場、エレベーターの中、部屋の前でも、結城はただ紗世の問いかけに、首を縦に振るだけ。
――こんなに素直な人だっただろうか
紗世は疑問よりも不安を感じながら、結城を居間のソファーに座らせる。
以前、紗世が来た時は結城の姉「詩乃」がいて寂しくは感じなかった。
誰もいない結城のマンションは、妙に寂しい。
紗世が車に置いてきた、結城の鞄を取りに向かおうとすると、結城の手が紗世の手をキュッと引く。
「結城さん!?」
「……部屋まで」
結城の消え入るような弱々しい声。
紗世は、結城を抱き支える。
オフホワイトを基調にした部屋。
ソファーベッド、机にパソコンとプリンター、本棚。
きちんと整理整頓の行き届いた部屋だ。
紗世は結城をソファーベッドに座らせて、その横をちらと見る。
「オーディオ?」
駐車場、エレベーターの中、部屋の前でも、結城はただ紗世の問いかけに、首を縦に振るだけ。
――こんなに素直な人だっただろうか
紗世は疑問よりも不安を感じながら、結城を居間のソファーに座らせる。
以前、紗世が来た時は結城の姉「詩乃」がいて寂しくは感じなかった。
誰もいない結城のマンションは、妙に寂しい。
紗世が車に置いてきた、結城の鞄を取りに向かおうとすると、結城の手が紗世の手をキュッと引く。
「結城さん!?」
「……部屋まで」
結城の消え入るような弱々しい声。
紗世は、結城を抱き支える。
オフホワイトを基調にした部屋。
ソファーベッド、机にパソコンとプリンター、本棚。
きちんと整理整頓の行き届いた部屋だ。
紗世は結城をソファーベッドに座らせて、その横をちらと見る。
「オーディオ?」