空と君との間には
「『ゆうしろよしじゅ』をバラして『よろ』を万、『じゅ』を寿とするところを……『ず』と置き換え、萬として、『万萬』で『よろず』と読ませる」
結城は言いながら、平仮名を並べ替え、漢字に置き換えていく。
「『し』は『詩』に、『ゆう』は『悠』で『詩悠』――これで『万萬詩悠』になるだろう」
「あ~、凄い」
「って……相田さんと話した時に、気づかなかったのか?『吉行斎』は解けたんだろう?」
「あれは相田さんが」
結城は睫毛を伏せて、寂しそうな表情を浮かべる。
「あの……バレちゃダメだったんですか?」
紗世が不安げに、結城の顔を覗きこむ。
「……いや……、いつバレても仕方ないと思ってた。相田さんにしろ、黒田さんや編集長にしろ、気づいてて……気づかないふりをしてるのかもしれないと……思ってた」
結城は言いながら、平仮名を並べ替え、漢字に置き換えていく。
「『し』は『詩』に、『ゆう』は『悠』で『詩悠』――これで『万萬詩悠』になるだろう」
「あ~、凄い」
「って……相田さんと話した時に、気づかなかったのか?『吉行斎』は解けたんだろう?」
「あれは相田さんが」
結城は睫毛を伏せて、寂しそうな表情を浮かべる。
「あの……バレちゃダメだったんですか?」
紗世が不安げに、結城の顔を覗きこむ。
「……いや……、いつバレても仕方ないと思ってた。相田さんにしろ、黒田さんや編集長にしろ、気づいてて……気づかないふりをしてるのかもしれないと……思ってた」