空と君との間には
「威勢のいいお嬢さんだな、結城くん。前のお嬢さんとは、まるでタイプが違う」

結城は胸を抉るような痛みに、顔を強張らせる。

結城の手が震え、結城は手を組み握りしめ、震えを隠す。


「……そうですね」

こたえた声は震え気味で、自棄に掠れている。


「結城くん、大丈夫かね? 顔色が悪いようだが」


「……犯行偽装の映像が浮かんで……けっこうエグいですね」

結城は震えるままの声で言い、笑顔を作る。


「そんなに恐いんですか?」

紗世が恐る恐る訊ねながら、パソコン画面を覗き込む。


「先生、打ち出してみますか?」


「ああ、そうしよう」


「麻生、プリンターセットしろ」

紗世が素早く動く。

結城特製マニュアル「エロおやじの交わし方」には、部屋のコンセントの位置まで描かれている。
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