神様の落としもの
俺はヒソヒソ話で説明した。

「昨日床で寝ちゃってさぁ…。寝違えたみたいな感じ。体中痛くて…。」

俺が苦痛な表情を浮かべていると勇磨は面白がってからかってきた。

「あははっ。どんくせぇ~!!それで髪の毛触らずに来たんだ?」

勇磨が俺の頭を手ぐしでササッと解いてくれた。

「まじで笑い事じゃなかったんだから!!それがさぁ、不思議な事に俺の真下に住んでる子には昨日床で寝た事がばれてたんだよ!何でだと思う?」

俺は眉間にしわを寄せ、真剣な眼差しで自分の疑問を投げ掛けてみた。

勇磨は俺の真似をして眉間にしわを寄せ、真剣に堪えてはくれなかった。

「はぁ?知るかよ!お前の部屋に隠しカメラでもあるんじゃねぇ?あはは。」

やっぱり…。といった返答だった。

「やっぱそうかぁ~。今日帰ったらカメラと盗聴器探してみよ。」

悩んでいる振りをしながら、適当に返事をしておいた。

勇磨に相談した俺がバカだった。

まぁ、俺の生活見られてるところで特に困る事もないし…まっいっか!

俺はぎこちない動作で教科書をカバンから取り出し、授業に向かった。
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