神様の落としもの
俺が真っ赤な顔して座っていると、勇磨がだだっ子のように声を掛けてきた。

「佐家神、行くぞ!2人分ノート取ったから、腹ぺこで死にそ~ぅ。飯!飯!」

「おうっ!!」

俺は少しうつむき加減で財布を取りだし、ササッと勇磨の元へ駆け寄った。

食堂は相変わらず多くの学生で賑わっていた。

俺は大好きな唐揚げ定食を頼み、席に着いた。

学食は定食250円と格安プライスで提供してくれる。

俺の唯一の栄養補給場所だ。

「いっただきま~す!」

俺はホクホクの唐揚げを口にほおばった。

勇磨は珍しく母親の愛情弁当を持参していた。

親の愛情弁当は沢山の種類のおかずが詰め込まれ、栄養面のバランスをきちんと考えられている献立だ。

色も鮮やかで唐揚げとキャベツだけの定食とは格が違う。

んっ…?

< 17 / 40 >

この作品をシェア

pagetop