神様の落としもの
と言うものの、彼女はそう簡単に出来るわけもなく、俺は相変わらず学校と家の往復を続けていた。

人との出会いとはごく自然で普通のことだと思ってきた。

それが、いざ彼女を作るとなると難しい。

今まで、そんなの気にしたこともなく生きてきた俺に、突然彼女候補の子と出会って、今までの友達とは違う感じで接しろというのは、とてつもなく難しいものだった。

今までのように簡単に友達を作ることが出来ない…。

何故か変なところで意識してしまう。

これが青春か~。

俺は自分にそう言い聞かせておいた。

俺の人生、茨の道だな…。

俺はサボり魔の勇磨のお陰で、自主練が得意分野化してきていた。

勇磨は相変わらず、彼女、彼女で俺との練習にはほとんど顔を出さない。

それでも、久々に来た勇磨は俺より腕がいいから、愚痴も言えない…。

最近の日本は異常気象のせいでとにかく暑い。

特に昼間の練習は外でしている俺達にとっては、かなり過酷だ。

テニスボールが今日はいちだんと眩しく輝いてい…る…。
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