神様の落としもの
俺の頭はボーっとしながらも、どう対処したらいいのかわからず、されるがまま身を委ねた。

興奮しているのか、緊張しているのか、俺の心臓の音がやけに耳に付いた。

ピピピピッ…

遠くで何かの音がした。

「37.8°大分下がったね。」

へっ…?

俺はボーっとした頭をフル回転させた。

「あのぉ…」

「あっ!目が覚めた?」

天使は優しい声で返事をしてくれた。

「ここは…?」

俺は恐る恐る、質問した。

「保健室だよ。見覚えない?」

「保健…?でも、天使が…。俺…死んだんじゃ…?」

「えぇ~っ!天使に見えたの?!それって喜んで良いものなのかなぁ?人間じゃないし~!」

そう言うと、天使はクスクスと笑いだした。

「もうちょっと休んだら、帰ろうね。今日は天使が送ってあげるね。」

天使の微笑みを後に、俺はまた夢の中に舞い戻っていった。

保健室のベッドは家のベッドに比べて硬く、寝心地が悪いはずなのに、すごく寝心地がよかった。

俺はまた、へんてこな夢を見た。
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