神様の落としもの
「作りませんよー。てか、作りたくても作れません。彼氏いないですから・・・。」

「へぇ~!佐家神、チャンスじゃん!!」

「うるせぇなぁ~。黙って食え!」

俺は顔を真っ赤にしながら、勇磨にキツイ口調で答えた。

と言うよりは、俺の精一杯の照れ隠しだった。

「えぇ~。怒ったらヤダぁ~!いちゅも、うるしゃいくしぇにぃ~!!」

勇磨は箸をくわえながら、甘え口調で俺にすがってきた。

彼氏居ないんだ・・・。

俺は勇磨に文句を言いつつも、心の中では感謝していた。

俺達はたわいもない会話をしながら、食事を済ませた。

いつもと同じメニューが俺の胃袋を支配しているはずなのに、今日の定食はいつもの100倍美味しかった。

こんなに楽しく感じた昼ご飯も、生まれて初めてだった。

俺たちは食事を済ませると、午後からの授業があるので食堂を後にした。
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