神様の落としもの
勇磨が俺の顔をニヤニヤしながら見つめてきた。

「何だよー?」

俺は少し不機嫌そうに答えた。

「お前、好きだろ?」

「そんなんじゃねぇよ!!!唯ちゃんはただの友達だし・・・。」

俺の声は明らかに後半小さくなった。

俺の中でも実際、自分がどう思っているのか確信がなかったから・・・。

「ふぅ~ん。まぁ、これから恋に発展するかもしれねぇし♪悩みがあったら人生の先輩に相談しなさい!女の子の落とし方教えてやるから!」

「・・・ぉぅ。」

俺は正直自分の気持ちが解らなかった。

好きとか嫌いとか、付き合うとか別れるかとか、やたらと白黒はっきりさせたがる。

それに、学生だからなのか、周りの人間はやたらと仲がいい男女をくっつけたがる傾向にある。

そんなノリで女の子と付き合うのはごめんだ。

興味本位で付き合って、相手を傷付けたくない。

むしろ、自分が傷つきたくないと言うのも本音・・・。
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