瞳の奥
出会い
______ キーンコーンカーンコーン
遠くで鐘の音がする。
私の視界は真っ暗で
瞼を開けたくても開かない
「おーはよ!」
頭をこつんと小突かれる感覚
重い瞼がようやく開いて目の前の光景に
「・・・ひっ!」
気持ち悪い声を漏らす。
「っはは、優美寝すぎなんですけどー!」
「髙橋、マジどんだけ寝んの?」
・・・は?
状況がわからない
だって耳の奥の方で鐘の音がして
ふっと意識が戻って・・・
「え、もしかして、あたし・・・・・・・」
みんなの様子を恐る恐る伺うとみんなはまるで合わせたようにゆっくり笑顔で頷く。
すると突然先生からの言葉が突き刺さる
「髙橋、放課後掃除なー。俺の授業で寝るとかお前いい度胸してんな。次はないぞ」
ええ、今日は見たいテレビがあるのに・・・!
先生、お願い、許して!!
願いを込めて先生を見つめてみるも・・・
ガチャッ
「・・・・・・・・・・効果なし、か」
肩をがっくり落として、鞄からお弁当を出す。
「髙橋、俺手伝うよ」
「優美、うちも手伝う~」
もう、なんていい友達なんだろう。
「ありがとっみんな!!」
満面の笑みを浮かべて、小走りで教室を駆け出した。