冷たい彼-初恋が終わるとき-
なるべく優しい手で金色の髪を撫でれば、微かに桐生君の体が緩んだ。
サラサラの髪に指を通し、また背中を軽く撫でる。
強張りが緩まったのを感じながら、私はゆっくりと桐生君の頬に唇を寄せた。
「…花霞?」
少し驚いた様子の桐生君。私の顔の横にある、滑らかな白い肌にふわりと触れるか、触れないかのソフトな口付けを落とす。
「…お返し」
瞬きを繰り返す桐生君に苦笑い。
いつも桐生君がしてくれることをやっただけ。
思えば、私からキスするのはこれで二回目。一回目は、彼と初めて会ったとき。この関係が結ばれる瞬間だ。いつも桐生君からしてきたから、まさか私からすることになるとは思わなかった。