冷たい彼-初恋が終わるとき-
ーーー全ては私の弱さが原因で始まったこの関係を、私の言葉で締め括らないといけない。
「…別れる?」
訝しげに眉を寄せる桐生君にコクンと頷く。
何で、そう頻りに何度も呟かれる。
私が黙って首を横に振れば、桐生君はギリッと歯を食い縛った。
「確かに私は弱かった。でもそれは桐生君も言えるよ。私達は、弱かった」
「…お前に言われたくねえよ」
「認めたくなくても、認めよう?」
「…俺はお前が隣にいてくれるならこのままで良かった。でも、お前は俺を裏切った」
「…っ桐生君は、私が本当に裏切ったと思ってるの?」
目を逸らして私の目を見てくれない。
桐生君に近寄ってスッと両手に手を添える。その手は氷のように冷たく、小刻みに震えていた。
「…お願い、私の目を見て?」
ゆっくりと私を映す瞳はほんの少しだけ、揺れる。