冷たい彼-初恋が終わるとき-






「…私もだよ。私も桐生君といる毎日が楽しかった。下校中、カフェに寄ったり、クレープを食べたり。甘い物が嫌いな桐生君が、わざわざ付き合ってくれる事が嬉しかった」

「…なら別にあのままでも…」

「でも、だからこそ辛かった時もある」




やはりあの状態を貫こうとする桐生君の言葉を遮る。




「だって私達が一緒にいるのは、慰め合いだから。お互いを“利用”してるって事実が辛かった。たまに偽りの関係を忘れそうになった時もある。でもふと現実に返ると笑顔すら嘘なんじゃないかって、虚しくなった」




桐生君にも心当たりがあるのか悔しげに、悲しげに顔を顰めた。




「苦しいよね、この関係も」




力無くヘラリと笑う。




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