冷たい彼-初恋が終わるとき-
想い出ばかりが恋しくて
蓮side
3
中学一年。
中学に入学してから、少しずつ何かが変わり始めた。
関係が浮き彫りになり、乱れ始める。
芽生がいて、乙樹がいて、日莉がいる。この俺達の関係は変わらないと思っていたがーーその変化は目に見えるほどだった。
意識しているからこそ、分かった。
日莉が、乙樹を好きだと。
そして俺が日莉を好きだと言うことにも。
好きだからこそ、気付いた。
日莉の目に映るのは俺じゃないんだと。
「蓮ってば最近元気ないね?」
「…あ"?」
「心配してるんだから睨まないでよお!」
もう!と頬を膨らます日莉。
お前は乙樹だけを見てればいいんだよ。
「…チッ」
「舌打ちも禁止ー!」
自分の気持ちに気付いてから、日莉が視線の先でチラつくたびにイライラする。俺の中を掻き乱したあとはいつも、乙樹の元に戻るからだ。なら、さっさと戻れ。
「何か悩みでもあるの?相談なら乗るよ?」
「…ほっとけ。いちいち俺に構うんじゃねえよ」
「何言ってるの!」
腕を引っ張られて、顔を鼻すれすれまで近づけられる。
「蓮は私の幼なじみなんだよ!?心配するに決まってる!」
悲痛に歪む綺麗な顔。
ーーそう言うことを言われる、余計に辛い。
諦めることも、突き放すことも、出来なくなるだろうが。行き場の失った愛しさをただ、抱え込む。
「…幼なじみ、か」
「そうだよ!幼なじみ!
私にとって蓮はとっても大切なひとなの!」
それは俺を縛るには都合のいい、残酷な言葉だった。
中学一年。
中学に入学してから、少しずつ何かが変わり始めた。
関係が浮き彫りになり、乱れ始める。
芽生がいて、乙樹がいて、日莉がいる。この俺達の関係は変わらないと思っていたがーーその変化は目に見えるほどだった。
意識しているからこそ、分かった。
日莉が、乙樹を好きだと。
そして俺が日莉を好きだと言うことにも。
好きだからこそ、気付いた。
日莉の目に映るのは俺じゃないんだと。
「蓮ってば最近元気ないね?」
「…あ"?」
「心配してるんだから睨まないでよお!」
もう!と頬を膨らます日莉。
お前は乙樹だけを見てればいいんだよ。
「…チッ」
「舌打ちも禁止ー!」
自分の気持ちに気付いてから、日莉が視線の先でチラつくたびにイライラする。俺の中を掻き乱したあとはいつも、乙樹の元に戻るからだ。なら、さっさと戻れ。
「何か悩みでもあるの?相談なら乗るよ?」
「…ほっとけ。いちいち俺に構うんじゃねえよ」
「何言ってるの!」
腕を引っ張られて、顔を鼻すれすれまで近づけられる。
「蓮は私の幼なじみなんだよ!?心配するに決まってる!」
悲痛に歪む綺麗な顔。
ーーそう言うことを言われる、余計に辛い。
諦めることも、突き放すことも、出来なくなるだろうが。行き場の失った愛しさをただ、抱え込む。
「…幼なじみ、か」
「そうだよ!幼なじみ!
私にとって蓮はとっても大切なひとなの!」
それは俺を縛るには都合のいい、残酷な言葉だった。