冷たい彼-初恋が終わるとき-
「…え?乙樹君のこと好きじゃなくなったの?」
そうじゃない。
小田切君のことは今でも好き。
ただ忘れようと決めたから。
だからもう追いかけない。
忘れるためにも。
私はもう小田切君を追わない。
「…ごめんね」
「え?え?」
「…私、彼氏が出来の」
「え!?」
早く忘れるためにも桐生君の恋人になることにした。
恋人とは名ばかりのただの慰めあいだけど。
「彼氏出来たの!?おめでとう!」
目を輝かせて詰め寄ってくる星絆ちゃん達は、相当この手の話が好きらしい。