冷たい彼-初恋が終わるとき-



クラスメイトには『何で桐生君と付き合ってるの?』と聞かれたけど、答えられるはずがない。


普通の恋人なら『好きだから』と答えられるはずだけど、生憎私達は普通じゃない。


互いに利用し合うだけの、そして慰め合うだけの関係だから。私達は失恋という、哀しい共通点だけで繋がっている。なんて、堂々と言えるはずもなく、曖昧に笑って誤魔化した。


それに。未だに何故、桐生君が私を選んだのか分からない。


いや、選んだなんてそんな大層なものじゃないかもしれない。


たまたま私が泣いていたところを目撃して都合が良いと思ったのだろう。


それなら私だってそうだ。


たまたま泣いてるところを見つけられて、成り行きで持ち掛けられた話に乗った。


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