冷たい彼-初恋が終わるとき-




「怖いね、蓮は。椎名さんもそう思わない?」

「え、」

「…失せろ」

「そう睨まないでよ。僕が悪者みたいじゃないか」




肩を竦める落合君とは裏腹に桐生君は不機嫌オーラ全開。まるで理性を抑えきれない野生の獣。落合君はあまり顔の筋肉が柔らかくないからか無表情に近くて何だか、怖い。




「蓮がキレる前に邪魔者は退散するよ。椎名さんも泣きそうだし。じゃあね」




図書室に行くのか難しそうな本を片手に抱え、飄々と教室から出て行った。その後ろ姿をずっと睨み付けるように見据える桐生君。キレた後に逃げられても困るよ、と眉尻が下がる。

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