冷たい彼-初恋が終わるとき-
「蓮、ソイツがお前の女?」
真っ赤な色をした髪の毛。
その赤色はウェーブがかかり、くるくるふわふわ。
ミントガムを噛む彼は確か、早乙女君だった気がする。
「…陽一」
「なんだよ。んなイヤそうな顔すんなって。つれねえなぁ」
早乙女 陽一。桐生君とは真逆の、笑顔が明るく朗らかな人。桐生君の親友で彼もまた、人気者。改めて見ると桐生君の周りはスゴい人だらけだ。眩しいくらいキラキラした人が勢揃い。
大人っぽい桐生君とは違い、早乙女君は童顔で可愛らしい。早乙女君からしたら、ただの皮肉だろうけど。
今日は色んな人に会うなぁと思いながら、私はぼんやりとふたりを眺めた。