冷たい彼-初恋が終わるとき-



「…空気読めねえやつ」

「はあ?お前の女見に来ただけじゃねえか。一向に紹介してくれねえし」

「…なんでお前に紹介しねえとイケねえんだよ」

「冷てえ〜。俺今傷ついたわ」



早乙女君は不良っぽくて少し苦手かも。


そんな彼に覗き込まれるように顔を確認されて肩が震えた。桐生君より少し低いくらい。顔は可愛いのに180㎝はありそう。背が高いふたりに見下ろされて更に縮こまった。



「んでこの女が蓮の彼女ちゃん?」

「…じろじろ見んな。すっげえ小心者だから泣かすなよ」

「ふーん、この子がね〜」



値踏みするようにじろじろ見てくる早乙女君に桐生君は溜め息をついた。


私の顔を凝視する童顔。


まじまじと眺める早乙女君に苦笑いした。その視線は失礼極まりないものだけど、何が言いたいのかは分かるから。


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