冷たい彼-初恋が終わるとき-
「でもよー蓮ならナイスバディな姉ちゃんを選ぶと思ってたんだけどなぁ。好みと真逆じゃん。お前の好きなタイプって"勝ち気な子"だろ?確かに可愛いけどこの子が蓮の隣に立つには役不足なんじゃね?」
手で体の凹凸を表す早乙女君。
どうせ私は寸胴だもん。
ずーんと凹みながら早乙女君を上目遣いで睨み付けても「因みに俺の好きなタイプは"Mっ気のある子"だぜ」と笑うだけだった。
確かに桐生君の隣に立てば、私なんか霞んで消えてしまう。
困った風に空笑いを浮かべると行きなり早乙女君は悲鳴を上げた。
「ってえな!何すんだよ、蓮!」
腕を捻り上げられた早乙女君は桐生君を睨む。
私はただ、その光景をポカンと見つめた。
「いてえし!離せって!」
「…無理」
「はあ!?」
「…コイツを虐めていいのは俺だけだ。お前がコイツを貶すのはムカつく」
力を籠めたのか早乙女君の悲鳴が大きくなった。