妄想恋愛
take1

「お先に失礼します」

控えめな声で言いながら。私はオフィスを後にした。オフィス…といいながらそんなに綺麗でもお洒落でもない。
小さな文具メーカーの総務事務。

もう親父という年令に差しかかった課長とその部下の係長。
そして私とお局様といわれている

真智子先輩、推定40歳。独身彼氏なし…。


そんな環境…隣は経理部なんだけど。こちらもおやじの巣窟。


出会いのないこの会社…きっと行く末は真智子先輩のような。
独身子女になるだろう…。


勤続5年。トキメクこともなく、ただ会社と家の往復生活。


.
< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop