妄想恋愛
take1
「お先に失礼します」
控えめな声で言いながら。私はオフィスを後にした。オフィス…といいながらそんなに綺麗でもお洒落でもない。
小さな文具メーカーの総務事務。
もう親父という年令に差しかかった課長とその部下の係長。
そして私とお局様といわれている
真智子先輩、推定40歳。独身彼氏なし…。
そんな環境…隣は経理部なんだけど。こちらもおやじの巣窟。
出会いのないこの会社…きっと行く末は真智子先輩のような。
独身子女になるだろう…。
勤続5年。トキメクこともなく、ただ会社と家の往復生活。
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