夜人【ヨルヒト】さん
「ごめん、本当ごめん。折角落ち着いてたのに……」

言いながら、ユキオミが立ち上がった。

「あーのさ、よかったらバイクで家まで送るよ。

もう10時過ぎてるし、女の子一人歩きは危ないし」

リュックを拾い上げ、落ちそうになっていたデジカメを詰め込みながらユキオミが言う。

「荷物とかは?」

「教室……だけど、もういい。帰りたい……」

校舎は暗く静まり返っている。

ユキオミが頭をかいた。

「うーん……校舎は鍵かかってるだろうし、下手に侵入して通報されてもね…

じゃ、こっち」

ユキオミが歩き出しながら親指で裏門を指す。
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