二人の『彼』

いてもたってもいられず、俺は四季に足を運んでいた。



「先輩」



のれんをくぐると、接客に勤しんでいる先輩の姿がある。



ここへ来ても先輩はいなくて、もう元の時代に帰ってた、なんて想像も少ししていたとは、彼女には言えない。



「後でちょっと、時間いいかな」



俺の様子に何か悟ったのか、先輩はこくりと頷いた。
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