見えない
ふれる
くらぁい
くらぁい
そんなところに
きみは落とされました
かたちすらなっていない
感覚だけの君のせかい
あかいふくろのなかで
あったかい
えいようがあるせかいに
産まれたくはなかったのに
落とされてしまいました
その時産まれたのです
見たのです
初めてそれ以外の世界を感じたのです
嬉しかった
もう覚えてはいないでしょうけど
鳴きました
もう忘れてしまいましたけど
大事にしまっておいてください
なくしても決してすてないで
見捨てても良いけど必ず拾って
きみのたからばこには
中身がたっくさんつまってる
だから見せてはいいけれど
見せびらかしてはだめ
めじるしをたてて
きみのなまえをきざんで
迷ってもいいけれど
決して見失ってはだめ
もし見失ったのなら
さがして
たとえ
なんでそれが大切か分からなくても
さがして
いつか奪われてしまったら
もし
大事な思い出を
君の知らないうちに失ったら悲しいでしょう
ある日突然
君の宝箱は
開かなくなる
それで良いの
それでこそ素敵なんです
価値があるのです
私にも君にも分からない
第三者からも関与できない
価値の判断すら感じさせない
そんな力が君の宝箱にはあるんだと信じています
だからそれまではどうか
生きていて
いやになっても
まだきみのたからばこがひらくうちは
くるしんでいきていて
沢山苦しんで
悩んで
絶望して
泣いて
穿って
回収して
笑って
嫌いになって
好きになって
遠回りや近道をしてみたり
後悔や反省を積んで
甘えて
頼って
相談して話してみたり
鬼になって相手を思いやって叱ったりと
沢山痛々しい経験をして
バカでいて下さい
できるうちが良いのです
バカでいられるうちが華なのかもしれないし
でもそうとは限らないし
わたしたちはいつでもふかんぜん
だから頑張りすぎないで
今はまだ頑張れる範囲で大丈夫
きみは充分頑張っています
優しい君が頑張ってくれています
だからこそ
輝きが消えないよう
おまじないをかけてみたいのです