バースデー・イブ
「ちー、あんた湿りすぎりすぎ!!主役が何してるのよ」
誕生日があった週の土曜の夜、みんなでドレスコードを決めてホテルのバーに集合した。結婚式の2次会と言うよりも、人気だった海外ドラマの華やかな4人組みたいな出で立ちをして。
「美咲ちゃん、ちーちゃん落ち込んでいるのにそれは酷だよ。だってさ、わたしたち25歳だよ?」
「ちーじゃなくても誰だって落ち込むよ。結婚適齢期突入してもうすぐ結婚かな?ってうかれていたのに、わけわからないバカなヤンキー女に奪われたんだよ?しかも妊娠略奪婚」
「まあさ、将吾の女グセの悪さ分かったから良かったじゃん?結婚とかしていて妊娠略奪された方がめんどくさいことになってたよ。だいたいその女もバリキャリ思考の女はモテませんよ?とか何様のつもり?って思う。25なんかまだこれからキャリア積む年齢じゃん?たくさん遊んで自分のためにお金遣って、昇進や転職も視野に入れた資格も取って、マンション買うお金も貯めたり投資して、そしてなにより男に対する審美眼をさらに磨く時期よ!家庭に収まるなんて早すぎ」
「ちょっと、わたしは結婚してるから!あんたのアホみたいな価値観押し付けないで!」
そう2人が言い争いをする中、キヨが仲裁にはいるがどっちも聞く耳を持たない。
「莉緒みたいに親のコネで腰掛けOLしてすぐにエリート彼氏できてトントン拍子で結婚して、悠々自適に専業主婦できるならいいよ」