バースデー・イブ

 「知華ちゃん、あの人知り合い?」
 バリスタ機でコーヒーを入れていると編集の課長が
 「先日友達と行ったバーで知り合ったんですよ」
 「そうなの?ショップの店員なら街で働くイケメン特集に出すのに」
 「街で働くビジネスマン特集もしましょうよ」
 「やりたいけどねぇ。けど弁護士ならともかく、税理士とかってなかなか使わないからなぁ」

 「中野さん、」

 「まずは……この伝票なんですが、このキャバクラの接待はどこの会社のどなたとですか?」
 「」

 「俺、こうゆうとこは厳しいって言われてるんですよ。ビシビシ指摘していきますから覚悟してくださいね」
 爽やかな笑顔とは裏腹に

「大丈夫、伝票持ってきたやつらにきちんと言ってあげますよ。私的のものは経費になりませんと。個人経費もきちんと調べてください。たまに私用の物を経費にする人もいるので…佐山先生も厳しいお方ですが、データ見てキャバクラ多いなぁ…と感じたので。たまにあるんです、私的流用」
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