バースデー・イブ

「あ、ナナさんここにいた!」
お箸を取ったところで背後からユーの声がする。
「やだ!なんで来るんですかぁ」
「ナナさん、今日してくれないと俺が上に怒られるんです。早くデータ送りたいんですよ!そして早く決算もしたいんですよ!」
「知華さん、助けてくださいぃ!」
そういいあたしに抱きつくナナちゃんを見て、ユーは頭を抱える。そしてあたしを無言の訴えなのかじっと見つめ目配せをした。

「ユー食事くらいさせてあげなよ」
「知華さんさすがぁ」
「けど、ナナちゃん食べたらやろうね。データ送れなくなるから」
そう諭すと裏切り者!と言いラーメンを食べ始める。

「ご飯…食べた?」
「うん、軽くさっきゼリー飲料飲んだ」
「それだけ?!」
「うん。仕事とかいろいろ大変で…」
「じゃあ、食べ終わるまで一緒に食べよ?」
そう言い点心を指差すと、



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