バースデー・イブ
別れと出会い
将吾の結婚ニュースは瞬く間に広がった。
全体公開をしているフィードが嫌なくらいに表示される。いくらあたしが将吾を友達から外しても、同じサークルだったあたし達には共通の知り合いが多い。将吾を非表示にしたところで、他の人たちが将吾を祝う書き込みをしている。
画面に映る将吾に対する祝福モードがうっとうしい。まるであたしの存在はなかったかのように称賛され、これが芸能人ならぶっ叩かれるのに一般人はなにをしてもおめでたいなんてずるい。ふたりのツーショットの写真がやけに眩しい。あの横で笑うのはあたしだったかもしれないのに……
「知華さーん、佐山先生が来ましたよぉ」
新人バイトのナナちゃんの声ではっとする。今年高校を卒業したばかりのナナちゃんは、金髪に近いくらい明るしさらにコテでしつこいくらいに巻いた髪を弾ませながら、舌ったらずの喋り方で話しかけてくる。
「応接室の方がいいですかぁ?」
「こっちの応接スペースでも大丈夫。みんなにも関係のある業務だから、なるべくみんなで顔を合わせよう。きちんと挨拶して」
「はぁい。分かりましたぁ」
そう言い他の同僚たちに伝えに行く。
全体公開をしているフィードが嫌なくらいに表示される。いくらあたしが将吾を友達から外しても、同じサークルだったあたし達には共通の知り合いが多い。将吾を非表示にしたところで、他の人たちが将吾を祝う書き込みをしている。
画面に映る将吾に対する祝福モードがうっとうしい。まるであたしの存在はなかったかのように称賛され、これが芸能人ならぶっ叩かれるのに一般人はなにをしてもおめでたいなんてずるい。ふたりのツーショットの写真がやけに眩しい。あの横で笑うのはあたしだったかもしれないのに……
「知華さーん、佐山先生が来ましたよぉ」
新人バイトのナナちゃんの声ではっとする。今年高校を卒業したばかりのナナちゃんは、金髪に近いくらい明るしさらにコテでしつこいくらいに巻いた髪を弾ませながら、舌ったらずの喋り方で話しかけてくる。
「応接室の方がいいですかぁ?」
「こっちの応接スペースでも大丈夫。みんなにも関係のある業務だから、なるべくみんなで顔を合わせよう。きちんと挨拶して」
「はぁい。分かりましたぁ」
そう言い他の同僚たちに伝えに行く。