私は初めから病気だったワケじゃない!!
今日はCTスキャンという、
検査をするので、

看護師さんに、
新館病棟に連れて行かれた。

小児科のある病棟は、
古い建物だから、

新館は、最新式のバリヤフリーで、
とても綺麗に見えた。

子どもの姿はなく、
老人が多かった。

「瀬崎さん、どうぞ。」

検査技師が、
私を呼んだ。

大きな扉の向こうに、
大きな機械があった!!

外国の映画のSFに出てくるセットみたい!!

「こちらに寝てください!!」

検査技師の言われるまま、
機械の手前にある人一人横になれるスペースに、
私が横になると、
固定具をしめた。

「じゃあ、眼を閉じてて下さい。
何かあったら言ってね。」

連れて来てくれた看護師さんと一緒に、
検査技師は、
隣の部屋に行ってしまった。

「はい、撮影始めます!
じっとして動かないでね〜!」

検査技師の声が、
マイクを通して聞こえると、
照明が暗くなり、
寝ているスペースが、
機械の方へ移動する!

思わず眼を閉じた。

機械の低いうなり声を
聞きながら、
しばらく過ごしていると、

「はい、終わりです!
動かないでね〜!」

照明が明るくなり、
まぶしいなーと思いながら、
ゆっくり眼を開けていると、
機械の中から、
さっきの位置に、
戻されていた。

「お疲れ様です!」

固定具をはずされたので、
私は、身体を起こした。

「じっと動かないでいれましたね!
じゃ、帰りましょう!
ありがとうございました。」

看護師さんと一緒に、
検査技師に頭をペコリと下げた。

「はい、バイバイ!」

検査技師は、手を振ってドアまで見送ってくれた。

「脳波みたいに頭に薬つけるのかな?
って思っていた。」

「レントゲン撮るみたいになにもないでしょ?」

「映画のセットみたいだった。」

「そうね。
言われてみたら。」

看護師さんはクスッと微笑んだ。

「新館、綺麗だったー!
ズルいね!」

「小児病棟は、
一番古いからね。」

「そうなんだ!!
でも、天井高いの、
家の小学校と同じ!」

「ぴろちゃんの小学校も古いの?」

「開校75周年を1年生の時したから……。」

「もうすぐ80周年ね!」
「うん、
本当だ!!」

看護師さんと話しながら歩いていたら、
病室にあっという間に着いてしまった!!

「じゃあ、ベットで休んでてね!」

「うん!!」

看護師さんに手を振ったら、
にっこり微笑んで、
手を振り返してくれた。
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