私は初めから病気だったワケじゃない!!
部活帰りに、
昇降口まで来たら、
夕立が降っていた!

「やだ!
傘忘れちゃった〜!!」

私や、E先輩とC先輩は、
雨がやむまで、
昇降口で待とうかと、
雨を眺めていたら、

T先輩が、折りたたみの傘を貸してくれた!

「俺、近くだから、
3人で使えば!」

といって、
私に手渡した。

「ありがとうございます!」

私は、傘を開いた。

「Tくんも粋なことするねー♪
一番遠いのは、
ぴろちゃんかな?」

E先輩は、そう言って、
C先輩を見たら、

「私は、入らない……。」

「Cちゃん、
傘大きいから、
3人で入ろうよ〜!!」

「大きいけど、
3人は無理よ!
先いくわ!」

「ちょっと、
Cちゃん!?
どうしたの?
濡れちゃうじゃん!!」

C先輩は、びしょ濡れになって、
走って行ってしまった。
私とE先輩は、
顔を見合わせた。

C先輩の行動が、
私には、よくわからなかった。

それ以上に、
折りたたみの傘を
T先輩から借りたという事で、
嬉しくてたまらなくなっていたからだ。

C先輩は、
居たたまれなくなって、
その後ずいぶん経ってから、
E先輩に、
T先輩と付き合っている事を
打ち明けたのだった。


T先輩は、
C先輩という彼女がいる身で、
私にモーションかけていた。

9月になって、
朝の登校時に、
T先輩が、走っていく後ろ姿を見せる。

T先輩の家は、
私の登校ルート上にあった。

部活の帰り道、

T先輩の家の近くを通ると、

なぜか先に帰ったハズのT先輩がいた。

「あれ?
先輩、
どうしたのですか?」

「あぁ、
ここ俺んちだからさー!」

毎回、T先輩に帰り道に出会う。

そのたび、立ち話をする。

「ぴろちゃんの好きなアイドルとかいるか?」

「あんまり、興味ないんで……。」

「俺は……、」

ポニーテールで、
つり目のアイドルの名前を言った。

「ちょっと、ぴろちゃんに似てるからかな……。」

「え……?」

私に似てるから好きなの!!

確かに私もポニーテールのつり目だ!

「ぴろちゃんは、
彼氏とかいる?」

「全然、モテないから……。」

「そうかな?
けっこう、
俺、タイプなんだけどな……。
でも、俺って、
モテるんだぜ〜!!」

「男女構わず人気者ですよね?」

「付き合った事もあるし……。」

「そうなんですか……。」

彼女がいるのに、
C先輩が彼女だと知らないで、
部活で普通に過ごしたりしている。
C先輩が知らない所で、
私を口説いている……。

私は、C先輩が、
T先輩の彼女とは、
全く知らなかった。
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