私は初めから病気だったワケじゃない!!
そうこうする間に、
デートの日になっていた。

私は、半分不安で、
半分は信じて、
数日間過ごしていたけれど、

T先輩を見ると、

C先輩の事で、
さっきまで、うだうだ考えていた、
この最悪な考えを
頭のすみに押しやっていた。

街に一番近い、
中学の学区のはじにある公園で、
待ち合わせした。

私服のT先輩を
初めて見た!

カッコいい!!

私も、お気に入りのスカートに、
カワイイ サンダルでキメてきた♪

「まだ、学区内だから、
離れて歩こう……。」


地下鉄の駅や、バスの停留所があるのに、

T先輩は、ちょっと遠い街に向かって、
ズンズン歩く!?

ちょっとだけかかとのあるサンダル、ナマ足にはいてるから、
痛くなってきた〜!!

運動部だから、
T先輩、ちょっと遠くても、
鍛えるために歩くのが、
当たり前なのかな?

私は、ひたすら歩きながら、
痛みに耐えた。

大通りから住宅街に入ると、
T先輩は、左腕を少し曲げてつきだし、

「腕つかんで!」

腕を組んで歩こうってこと!?

水泳部で鍛えた筋肉質のちょっとだけたくましい腕……。

「遠慮すんなよ!」

腕に身体が密着するまで、
ピッタリつかむように、
促された!

どこから見ても、
恋人みたい……。

ビルの大きな窓に写ってる私たちの姿が見えた!

T先輩の買いものにつきあって、
私の買いものにもつきあってもらった。

ちょっと歩き疲れた。

「あの公園で、
休むか?」

「うん……。」

自動販売機で、
冷たいジュースを
T先輩が、
おごってくれた。


街中で、けっこう広大な敷地の、
緑豊かな公園だ。

「木陰で休もうぜ!」

え!!
ベンチとかじゃなく、
芝生に直に!?

おそるおそる座って、
ジュースを飲む。

「俺の一口やるから、
飲ませて♪」

「あ、はい。」

ジュースを交換して、
一口飲み干す。

「ブドウ味もイケるな♪」

「炭酸も良いですね!」

「おう!」

これって!!
間接キス!?

返されたジュースを飲み干すと、
T先輩もジュースを飲み干していた。

「ぴろちゃん……。」

T先輩に抱きしめられ、
キスされた!

こんな所で!?

ちらっと辺りを見たら、
あっちこっちの木陰で、
カップルがいちゃついていた!?
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