私は初めから病気だったワケじゃない!!
T先生に、
質問したネタ本をもう一度読んでみた!?

万葉集は、
古代朝鮮語だとわかりやすいそうだ!!

だから、中国語では無いので、
意味が通じないのだ。

しまった〜!!

バカな質問してしまった!!

T先生に、
どんな顔で、
会えばいい!?

女子が少ないから、
絶対目立つ!?

翌週、
気が重かった……。

バカだから、
余計な話をしたりするの、
やめよう……。

そう思っていたら、
講座が終わって、
部屋を出たら、
T先生が、

「先週の質問だけど……。」

と、声をかけてくれた!!

「すみません、
あれ、中国語じゃなく、
古代朝鮮語だったみたいで……。」

「そうですね。
立ち話もなんだから、
講師室で、
話しませんか?」

T先生は、
穏やかに言った。

えっ!?
講師室に!?

周りを見ると、
他の人に、
じろじろ見られている。

私は、初めて講師室に入った。

「失礼します……。」

講師室には、
予備校の窓口にいるような制服の若い女性が、
入り口カウンターに、
控えていて、

「お疲れ様です!」

講師が戻って来るなり、
一礼した。

他の教科の先生方が、
それぞれのデスクに、
控えていた。

知っている先生は、
ちょっと目があったので、
会釈した。

T先生が、
デスクにかけると、
先生のデスクの側に椅子があったので、

「どうぞ、そちらに。」

と、座るように促された。

「失礼します。」

カウンターの女性が、
T先生にお茶とおしぼりを持ってきた。

「ありがとうございます。」

T先生は、爽やかに応じた。

「で、貴女は、
日本に漢字が、
入ってきたばかりの、
万葉仮名が……。」

T先生は、
真面目に説明してくれた。

わざわざ、調べてくれたの!?

私、バカな質問したと、
落ち込んだりしていたのに……。

すっかりT先生のファンになってしまった!!

「ありがとうございます!
先生は、このあと、
また講座があるのですか?」

「はい、休み時間終わったら、
また次のクラスですね。」

「大変ですね、
講座中、立ちっぱなしだし。」

予鈴が鳴って、
講師室がにわかに忙しそうになる!?

「行かなくちゃ、
ちょっと失礼。」

お茶を飲み干したT先生は、
講師室の中の別の部屋に行って、
すぐ戻って来た!

あ!
お手洗いだったの!?

私は、立ち上がって、
カウンターの辺りに下がった。

カウンターの女性が、
講師が部屋を出るたびに、
「よろしくお願いします!」

と、一礼しながら、
送り出していたので、
私もつられて、
頭を下げた。

T先生も、
指示棒や、マイク、
チョークやテキストを
手にして、
出かけるので、

「先生、ありがとうございました。」

私が、言ったら、
T先生は、嬉しそうに手を振った。

こうして私は、
T先生の講座の後によくお邪魔するようになっていった。
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