私は初めから病気だったワケじゃない!!
うきうきしながら、
自習をしていた。

先生と夕食だなんて!!

信じられない!!

あ、でも、
私には、病気の事が……。

それに、受験、
ダメだったりしたら、

浮かれてばかりもいられないわ!!

必死に勉強、勉強!

自習室で、今日の復習をしているうちに、
時間になっていた。

講師室の前に行って、
T先生の席を覗くと、
T先生は、質問対応していた。

やっぱり最終日だから、
誰かしら来るね……。

この時間だから、
現役生だ!!

私ら浪人生の本科生の講座が終わって、
入れ違いに、
現役生が、
学校の帰りに来る。

女の娘は、
来ていない……。

ちょっとほっとする♪

私ぐらいなのかな?

あんまりモテモテは、
もうコリゴリだし……。

カウンターの女性が、
私に気がついて、
T先生に知らせる。

しばらくすると、
T先生の質問者が帰って、
T先生も帰り仕度をしてきた。

「行きましょう!」

「はい!」

カウンターの女性に
私は頭を下げたら、

ガンバ!!
とばかりに、
エールを送るジェスチャーをしてくれた!

駅とは反対にある高級なホテルのビルにあるレストランだ!!

T先生も私も、
学生風な服装だ。

「その前に、
お家に電話しましたか?」

「あ、はい!」

「念のため、電話してくれますか?」

ホテルの公衆電話コーナーで、
私は電話をかけた。

「代わってもらえますか?」

「はい!」

「予備校講師のTと申します。
今日は、お嬢さん、
お預かりします。
はい、夕食を
いえ、いつもお嬢さんには、
お世話になりまして、
はい。」

先生、親にあいさつ入れてる!?

「いつもより遅くなりますが、
はい、ありがとうございます。」

先生、電話にお辞儀している♪

受話器を置いて、
T先生は、
にこやかに、

「じゃ、行きましょう!」

そのさわやかな笑顔にきゅんとしながら、
私はうなずいた。

「何が良いでしょう?」

私は、あまり高級なレストランでは、
持ち合わせがないので、
一番安い店を探した。

「ここにしましょう!」
しかし、その店ではないちょっとだけ高級そうなレストランを
T先生は示した!!

「え、あまり持ち合わせ無いので……。」

「おごります。」

「そんな……。
良いのですか?」

「はい!」

うわ〜ぁ!
夢じゃないよね!?
< 76 / 95 >

この作品をシェア

pagetop