私は初めから病気だったワケじゃない!!
家族以外と、こういうお店に、
来たことないわ〜♪

「先生は、お仕事帰りに、
いつも、外食されていらっしゃるのですか?」

「はい。
独り暮らしだから、
いつもは定食屋とかだけどね。
うちの予備校の他の地域の校舎でも教えているので、
関東の各校だけでなく、
東北の方にも行くんです。」

「うわ〜!!
大変ですね!」

大手予備校だから、
遠くまで講師も出かけるのね!

「衛星中継講座する有名講師じゃあないんで、
私は、現地に行くのです。」

「衛星中継講座は、
お試し体験した人に聞いたのですが、
やっぱり、
目の前に先生が、
授業された方が良かったって、
言ってました!」

「そうですか?」

「いくら東京の講座を
大画面で見せられても、
目の前に先生が、
いらっしゃらないので、
伝わらないそうです。」

「そんなものですか……。
目の前に居ようが、
TVで講座受講しようが、
衛星中継講座を地方で受けようが、
勉強することには変わらないのにね!」

「言われてみれば、
そうですね。」

「ただ、目の前に学生さんがいた方が、
反応があるので、
やりやすいです。
熱心に聞いてくれているな。
とか、励みになりますね。」

そう言って、T先生は微笑んだ!

「そうですか!」

スープや前菜のお皿が、
空になっていたので、

「失礼します。」

と、ウェイターさんが、
魚料理の皿を持ってきて、
空の皿を下げた。

「貴女は、ナイフとフォーク使いが、
上手いですね!」

「あ、そうですか?
箸はヘタで、
豆とかよく落とします。」

「中国の箸は太いのですが、
日本と違って、
横に置かないで、
このナイフとフォークの様に、
右側に縦に置くんですよ!」

「縦に!?」

「日本の常識が通じない世界が、
あるのです!
中国では、
食事を全部食べないで、
ちょっと残すのです。
それが、お客さんが、
沢山食べて満足したサインなのです。
でも、日本だと、
全部平らげないと、
失礼になるから、
一生懸命食べるんですね!
中国人は、満足してくれていないと、
別の料理を追加する……。」

「日本人は、食べなきゃって思っちゃう?」

「そこで、また頑張って食べて、
繰り返すうちに、
日本人が、
勘弁してと言ったら、
やっと作るのをやめるんですね!」

私は、T先生の話しにウケながら、
父が中国に出張したり、
中国人が日本に来たことを思い出した。
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