私は初めから病気だったワケじゃない!!
3号館に戻り、
3階にある雑誌部の部室の前に来た。

よその学部の教室が近くにある。

空いた物置小屋を部室にしたみたい……。

鍵を開けて、
明かりをつけたら、
窓のない部屋に、
本棚にうず高く積まれた雑誌部の山!!

印刷業者から、
納品されて、
配布されないまま、
積まれたモノらしい……。

トレース台にナゼかTV!?
鍵つきロッカーの上に鍋とフライパン!?
ガスレンジも無いのに、
何に使うの!?

そして古そうなワープロ!?

イマドキワープロって言ってもわからないかと思うが、
日本語タイプライターをディスクトップのパソコンみたいにしたモノで、
パソコンに今は、
ワープロソフト化しちゃって、
同居しているが、
パソコンではなく、
手紙などの文書のための機械だ!

黒いブラウン管画面に、
緑色の文字。

ノート型のワープロ(ノート型のPCより厚くて重くて、大きい!!)が、
この当時にはあったから、
ディスクトップのPCよりも異様にデカイ!!
出始めの頃に情報系の学部で、使っていた遺物だろうか、
記録メディアのフロッピーが、
ばかデカイ!?

B5サイズに近い……。

超旧式ワープロで、
事務机一つ分の大きさだから、
やたら部屋が狭い!!

「ははは……。」

いる要らない決めて、
片付ける必要性有りかなと、
眼鏡の女の娘は、
固まっていた。

実は私も眼鏡をかけているから、
3人とも、
眼鏡なんだが……。

ジリリ……ジリリ……ジリリ!!

入り口の横にある棚の上に置いてある電話が突然鳴り出した!

「内線だな。」

O先生が、
慌てて電話を取る。

「はい、Oです。
あ、本当!?
分かった!
M先生呼んでくれる?」

O先生が、受話器のしゃべる側に手を当てて、

「もう一人来たって!」

「本当ですか?」
「え!!」
「わーい!!」

「M先生、仮入部の部員に紹介したいので、
入部希望者連れて、
部室に来てくれる?
はい、仮入部の用紙机にあるの持ってきて!
うん、
その人入れて四人!
よろしく!」

受話器を置いたO先生は、

「もう一人顧問の先生紹介するワ!!」

「顧問の先生が、もう一人!」

やって来たのは、
20代半ばくらいの白衣を着た女のM先生と、
OOくん!
眼鏡はしていない。

「皆、とりあえず座ってくれる?」

O先生が言ったので、
パイプ椅子や、
灰色の事務椅子にそれぞれかけた。

「先ずは自己紹介だな?
私は、顧問のOです。
工学部と、情報学部の教養学科を教えています。
あと、心理カウンセラーです。
カウンセリングできるから、
悩み事あったら、
いつでもどうぞ♪」

「はぁ……。」

悩み!?
あんまり相談したいとは思わないな〜。
ヘビースモーカーには……。

「よろしくお願いします。」

「顧問のMです。
情報学部のOAシステム科で、
教えています。」

M先生は、きびきび言った。
理系の先生だから、
白衣姿がまるで女医さんみたいだ!

「よろしくお願いします。」

「じゃあ、Yくんから順に。」

「Yです。
情報技術科です。」

「OOです。
情報処理科です。
一浪したから、
皆より年上だね。」

「瀬崎ぴろです。
芸術学部のデザイン科です。
私も一浪しました。」

「Sです!
CAD設計製図科です。」

OOくんと私が同い年で、
YくんとSさんが、
一つ下なんだね。

「工学部と、情報学部と、芸術学部が全部そろったね!
仮入部期間は1週間。
この間に、
役職決めておいて!
部長と、副部長、会計、備品係の4役だ!」

「ちょうど四人だね!」

「今決める?
どうせ、仮入部だけで辞めないでやるだろ?」

OOくんに言われて、
皆頷いた。

「部長ーは、ダメだけど、
備品係なら……。」

Yくんが言った。

「ズルいぜ!!
じゃんけんで希望の役をきめよう!」

OOくんの言葉に、
皆頷いた。

部長になりたくなければ、
じゃんけんで勝つしかないと、
皆気合いをいれながら、
じゃんけんをしたら……。

「OOくん負け。」

部長決定!

「やり〜勝った!
やっぱ、備品係♪」

Yくんは、備品係決定!

「勝った!
私は、副部長……。」

Sさんは、副部長。

「じゃあ、会計ね。」

「じゃあ、おいおい、活動中に詳しい説明するから、
今日は簡単に4役の仕事を説明する。
部長は、部員をまとめ役。
副部長は、部員の補佐で、
部員が居ないときに、
代理でまとめる。
部活の部長会が有るときは、
部長か副部長のどちらかが必ず出席すること!
で、会計は、
撮影するカメラのフィルム代や、
写真の現像代、
その他の支払いを
現金で支払うノートとか、
有るから、
支払い発生したら、
必ず領収書が必要なんで、
その時詳しく説明する。
あと、備品係は、
備品調査があるので、
部の備品のチェックと、
普段からの管理だな!
カメラとかの機材が有るから、
頼むな!」

「はい!」

「で……。
この部活の活動は、
何をやるのですか?」

部長になったOOくんが、
素朴な疑問を言った。

「年に2〜3回雑誌をつくる。
皆の入学時に、
雑誌部の予算をまとめてもらっているから、
そこから予算は出るんだけど、
皆でどんな雑誌をつくるのか、
2、3日、棚のバックナンバーでも見て、
考えてくれ!
じゃあ、OO部長、
任せたよ!
帰るまでに仮入部証作ってくるから、
鍵は俺のだから、
終わったら閉めに寄るんで、
電気だけ消しておいてな!
帰るときや、何か先生に用がある時は、
そこの内線、
内線表見てかけてくれな!」

「はい!」

先生たちは、職員室に帰って行った。
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