ハウ・トゥー・GET・ザ・チョッコレイト☆
「ジローちゃん!いい?勘違いしないでよね?」
「わかってるよ。まあ、義理チョコでももらえただけ儲けもんだし、ミッションは達成ってことだよな。ありがとうな、凛子」
「だーかーら!ジローちゃん!勘違いしないでって言ってるでしょ?」
「え?」
凛子は俺の背中に手を回し、そして、一瞬、時が止まったような、俺の心臓の音じゃない心臓の音を近くで感じた。
そして、唇に残った甘い味。
「凛子・・・」
「ほ、ほら!先行ってて!」
「でもさー」
「みんながジローちゃんを音楽ホールで待ってるよ!」
俺は、凛子に背中を押され、それから振り向かないで走った。