Dream。~君と私の応援歌~
「お前ら、TPO(時・場所・場合)を考えてっ……」
「で、でも!!片瀬先輩、いっつも練習見に来てるし……!!いっつも一緒に帰ってるだろ……。応援歌とかも……」
「というか、お前、片瀬先輩のために甲子園行くとかなんとか……」
混乱してるのか裕也と亮が顔を見合わせ、ブツブツ言ってる。
「湊……。お前、片瀬先輩のこと好きなんだろ?」
一輝が顔をぐいっと近づけてきた。
好き?俺が?
雫を……?
「……考えたことなかったな」
たしかに、兄貴を超える野球選手になるとは誓った。
雫を甲子園に連れていって、兄貴の夢を叶えてやるとも言った。
一人にしないとも言った。
でも、それが『好き』の感情なのか分からない。