Dream。~君と私の応援歌~
みると、赤い傘を差した雫が駆け足でこっちにやって来た。
相変わらず、ギターケースを背負って。
「こんな雨の中、何してるの。風邪ひくよ?」
雫はポケットからハンカチを取り出すと、俺に渡した。
「いいよ。別に。最近、打撃練習できてねえからさ、すこしくらいしねえと。体が鈍る」
「……熱心だね。前とは想像できない」
クスクスと笑う雫が不覚にも、可愛いと思ってしまった。
って、何思ってんだ!俺!