Dream。~君と私の応援歌~
雫は綾野から慌てて離れると、俺から目をそらした。
「……部室でいちゃいちゃねぇ……」
ああ。俺の中のなにかが壊れてく。
言いたくもない言葉が、どんどん溢れる。
「お前さ。ふざけてんの?男といちゃいちゃしててさ。……詠斗は忘れたのかよ?詠斗、詠斗、詠斗って……昔はバカみたいに言ってたくせにさ」
「違う!!詠斗はっ……!!」
「そんなもんだったわけな。詠斗への感情って……。見損なったよ。まあ、詠斗はもう死んでるから、お前にとっちゃ幸せなのかもな?でも、惨めだな。詠斗のせいで、詠斗が死んだせいで、自由に恋ができねぇんだから」
なんで……こんなことしか言えねえんだよ。
なんで……こいつをまた泣かせるんだ。俺は。
雫の瞳からは涙が溢れてた。
雫が俺を押し退け、泣きながら部室を出ていく。
後味悪くて、俺が部室から出ようとすると、綾野に腕をつかまれた。
「雫に、謝れよ」
その瞳は、詠斗にものすごく似てた気がした。