Dream。~君と私の応援歌~
『……そんなことねえよ。どこが惨めなんだよ!!!雫は、全然兄貴のことを恨んでない!今でもずっと好きなんだ!でも……俺といて変わろうとしてる。俺も、雫といて変われた。……気持ち分かってるくせに、あいつを傷つける、お前の方が惨めだよ……』
詠斗の義理の弟と名乗ってた、あの綾野湊とかいう奴の言葉をふいに思い出した。
認めたくねえけど、あいつの言う通りかもしれない。
俺は、野球が強くて有名な星蘭高校に入学した。
でもそれはインチキで、甲子園に出れたのは相手校の強者を一人ずつ、ぶっ潰していってたから。
皆いけねえって分かってるのに、逆らえない。高校の頂点にたつ、竜に。
竜は本気で野球をやろうとしてない。
ただ、快感を得てる。
人を傷つけることに。