Dream。~君と私の応援歌~
透が打撃練習を始めると、私の心の中に詠斗との思い出が甦ってきた。
きっと、詠斗も出たかったよね。
甲子園……。
「……く。雫ってば!」
「え?あ、な、何!?」
「……どうしたの?なんか考え事してたみたい」
「あ、うん。ちょっとね……」
「詠斗くんの事でしょ?」
心春がニッコリ笑いながら、私をみた。
なんで、分かったの?
「分かるよ。雫の考えてる事くらい。詠斗も出たかっただろうなーって、考えてたんでしょ?」
「うん。詠斗って誰よりも野球に真っ直ぐで、真剣だったから、もったいなくて……。」
私より野球を優先しちゃうくらい。
でも私も、そんな詠斗が嫌いじゃなかったから。