Dream。~君と私の応援歌~
「でも、ケガだけはしないでね」
「ああ。あいつのことだろ?大丈夫。俺は絶対ケガなんかしないから」
根拠はないのに、その言葉に安心してしまう。
「……雫。俺から、頼み事があるんだけど」
どこか緊張した面持ちで、湊くんが私に向き直った。
湊くんが私に頼み事?
なんだろう?
「……俺が選手権大会で勝てたら、歌を作ってほしい。俺のために作った歌を、俺のためだけに、歌ってくれないか?」
そんなの、答えは決まってるよ……。
「もちろん。湊くんのために、歌うから。」
私が微笑むと、湊くんが「ありがとう」
と私をぐいっと抱き締めた。
温かなぬくもり。